農作物集荷配送ルートの課題をAIで解決にむけ、 NTT東日本と協業で配車ルート最適に関する最適化プログラムを開発

東日本電信電話株式会社北海道事業部(執行役員 北海道事業部長 阿部 隆、以下「NTT東日本」)と株式会社調和技研(代表取締役社長 中村 拓哉、以下「調和技研」)は、この度、農作物(馬鈴薯)の集荷配送作業におけるトラックとタイヤショベルの配車ルートを最適化するAIツールを共同開発しました。

今秋の収穫時期より、農業協同組合(JA)士幌町でフィールド実証を開始します。

背景

馬鈴薯の集荷は積込作業用タイヤショベルと運搬するトラックをそれぞれ圃場に配車します。

タイヤショベルやトラックは共用化しており運転手や台数に限りがあることから、収穫したものの集荷待ちにより農作物が劣化することや、日々集荷ルートを作成する担当者の負担、物流業界の運転者不足2024年問題などの課題があります。

現状の集荷イメージ:タイヤショベルとトラックが 圃場で落合作業

取り組み概要~AIプログラムの開発~

これらの課題解決に向け、NTT東日本と調和技研は、集荷配送の最適化ルートを作成するAIプログラムを開発しました。

AIプログラムは、集荷希望日・集荷場所、タイヤショベルやトラックの台数、優先したい条件(時間や距離等)を入力すると、タイヤショベルとトラックの最適なルートを地図上に表示します。これにより、担当者が地図を見てルートを作成するよりもトラックの移動距離や待ち時間を少なくし、また、これまで大きな負担となっていた担当者のルート作成時間の軽減にもつながります。合わせて、集荷待ちの減少による馬鈴薯の劣化の抑制、トラックの移動距離削減による化石燃料の削減、将来的にはトラックとショベルの台数の最適化による労働力不足問題へ対応が期待できます。

集荷配送ルートの最適化を導入することで期待される効果

  • 集荷待ちの減少による農作物の劣化抑制
  • トラックの走行距離削減に伴う燃料コストおよびCO2排出量の低減
  • 集荷配送ルート作成時間の削減

今後の予定について~実証実験~

AIプログラムの機能を拡充させるとともに、2022年度秋の収穫時期にJA士幌町でフィールド活用し、効果の検証、及びAIの精度を高め、次年度の本格導入を目指します。

また、本AIプログラムは、農業だけでなく経路選択が必要な流通分野への展開も見据え取り組みます。

本協業の成果は他の農作物への応用も可能であり、 農業だけではなくトラック輸送業全般に応用が可能と調和技研では考えています。

今後も調和技研は協業パートナーであるNTT東日本と連携し、 AIやIoTを活用した地域課題の解決を推進してまいります。